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サンティアゴ巡礼その後 (2012.09.30)

epilogue

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スペイン サンティアゴ・デ・コンポステーラから

ポルトガル ポルト 1日目

宿€13

時系列でいうとこちらの続きです


ビーバーと笑顔でお別れして、とりあえずタバコを吸って、

気分を落ち着かせる。

 

 

 

タバコがすごくまずい、、、。

 

 

 

せっかくなんでここサンティアゴ・デ・コンポステーラにもう1泊しようか

少し迷ったけど、、、

街の中でビーバーを探してしまう自分が想像できたのでやめた。

 

とりあえず、ポルト行きのバスを調べたら、1時間後にあった。

 

 

 

「このままポルトに行くのが一番スムーズだな」

 

 

 

と判断し、すぐにチケットを購入して、カフェへ。

 

 

 

「はぁ~」と大きなため息とともにほろ苦いコーヒーを飲む。

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ここでのつぶやき

 

 

先ほどサンティアゴ・デ・コンポステーラにバスで戻って来た
3日かけて歩いた道を2時間で、、、
そしてほぼ毎日一緒にいた人と笑顔でお別れしました
巡礼も恋も終わったけど旅は続きます!
でも、ぶっちゃけ今無性に日本に帰りたい!!!!

 

 

 

と、元気良さげにつぶやいているけど、、、

実際はウルルン状態。

 

目の前に、友だちや家族がいたら「え~~~~~~~~ん」

と泣いていたことでしょう。

 

でも、悲しすぎると人間泣けないものですね。

泣いたらもう立ち直れないような気がして。

 

 

 

どうにか、持ちこたえて11時のポルト行きのバスに乗る。€30

※手の日焼けが!!!そして、ガサガサ!!!

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バスの中からビーバーを探す自分がいた。

 

これからは、どんなに早く歩いても、前にビーバーはいないんだ、、、。

 

 

 

「はぁ~」

 

 

バスはビュンビュン走っていく。

5kmなんてあっという間に進んでいく。

 

 

 

「5km、、、1時間か、、、」

 

 

 

巡礼時間が抜けていない。

当たり前だよね。40日間、ずっとそうして過ごしていたんだから。

それが、生活だったんだもん。

 

 

 

真っ青な海が見えてきた!

イヤホンなくしてよかった、、、ここで音楽聞いたら、感傷に浸って涙していたはず。

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バスの中で流れていたバラエティ映画を観る。

 

 

 

 

 

 

 

 

それを観て、、、吹き出している自分がいたw

 

 

 

 

 

 

 

 

「人間、3時間もすれば落ち着くんですよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

と思った。

 

 

 

途中から、バス内がすごく暑くなってきた。

確実に気温が上昇している。

 

 

 

そして、16時にポルトガルのポルトに到着!

 

え~と、ポルトガルは来たことがなかったので、、、

何ヶ国目だ?

ま、いいか、、、そんなこと。

 

 

 

とりあえず、自分がどこにいるのかわからないので、

バナナを食べながら作戦会議。

 

よくわからないので、腹越しらえw

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どうやら目星のユースホステルにはバスで向かうといいらしい。

 

ということで、207番のバス停を目指して歩き始めたけど、

ぜんぜん見付からない。

 

 

 

「私には(いくらでも)歩ける足と体力がある!」

 

 

 

という変な自信がついていて、全く焦りはなかった。

ただ、朝は寒くてかなり着込んでいたので、暑かっただけ。

 

でも、寒くて曇っているサンティアゴに比べたら、全然いい。

あそこは、すごく”グレー”な場所だった。

きっと、あそこも私とは合わない空気を発している場所なんだ、、、きっと。

※他にはベルリンとブタペスト(どちらも好きだけど、合わないのです)

 

 

 

見付けた教会。

ポルトガル建築はこんなタイル張りの建築が多い。

イスラミックタイルのよう。

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それにしても、遠いな、、、。

街の人に聞いたら、3km以上離れているらしい、、、なので、断念w

 

引き返そうとしたら、市街地にだいぶ近付いていることに気付き、

街中の安宿へ行くことにした。

 

歩いていたら、こんな絶景が出てきた!

やっぱり水辺はいいね。

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宿の近くにある立派な協会。

後で来よう~

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バスターミナルから歩くこと約30分、どうにか宿に到着。

ガイドブックでは個室だけだったけど、行ってみたらドミがあった!ラッキー。

※反対側に2段ベッドがある

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部屋の窓からの街並。うん、天気もよくて色が鮮明。

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とりあえず、シャワーを浴びてから、街プラへ。

ちょうど日が沈むころだった。

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うん、ここポルトへ来て正解だった。

 

 

 

 

 

 

暖かいこと、天気がいいこと、街並がきれいなこと、水辺が近くにあること、

全てが私を救ってくれた。

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街ゆく人は髪の毛が黒く、肌は真っ白ではなく、背格好も私たちアジア人のよう。

どこか懐かしく、少し哀愁を漂わせた街。

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突如現れるおもしろ建築。

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アップダウンの多い街。

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どこのヨーロッパ諸国にもひけをとらない広場。

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ポルトに来てよかった。

あのまま、サンティアゴにいたら、私はもっとどんよりしていたと思う。

 

 

 

とりあえず、夕飯は久しぶりのマック。たまにはいいよね。

「何食べようかな~」って考えるのすら面倒だった。€4.95(物価が安い)

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すごく久しぶりの一人の夕飯。

 

 

 

人といることに慣れてしまって、弱くなっている自分を実感する。

 

 

 

「強くならないと。I’m strong!」

 

 

 

と、言い聞かせる。

 

 

 

「はぁ~」

 

 

 

日が沈んだ街をとぼとぼ歩き、昼間見付けた教会へ入ってみたら、

ちょうどミサの時間だった。

 

 

 

グッドタイミング!

当たり前だけど、ポルトガル語で進められるミサ。

でも、基本的な流れは一緒。

 

違うのは隣りにビーバーがいないだけ。

 

 

 

「はぁ~」

 

 

 

ため息ではなく、一生懸命に深呼吸して、気分を落ち着かせた。

 

 

 

 

 

 

 

 

辛い時は教会へ行こう。

そうすれば、きっと救われる。

大きな見方をつけた気分になった。

 

 

 

 

 

 

 

そして、軽い足取りで宿へ帰った。

 

部屋へ戻ると、2人の男性がチェックインしていた。

装備からして明らかにペレグリーノ(巡礼者)!

 

話したこともないのに、すぐに仲間意識が芽生え、早速話し込む。

 

韓国人とスロヴァキア人のおじさま二人組。

彼らは、リスボンからサンティアゴ・デ・コンポステーラまでを巡礼しているという。

 

私は既に巡礼を終えてポルトに来たと話したら、

韓国人のおじさまが、深々と頭を下げ敬意を表してくれた。

 

ありがとうございます。

 

韓国人のおじさまから有益な情報をたくさんいただく。

 

・彼らが今歩いている”ポルトガル人の道”はリスボンからポルトまでは、

巡礼のシンボルも矢印も極端に少なくガイドブックがないとかなり難しい。

 

・ポルトまでは巡礼宿も少ないので、消防署に無料で泊まらせてくれる。

 

・フランス人の道(私が歩いた道)はシンボルも宿も巡礼者も多く、

歩きやすいが商業的になり過ぎている。

 

などなど、実体験を元にたくさん話してくれた。

 

 

 

どこの道がおすすめか訪ねたら、

 

 

 

『銀の道 -Via de la Plata-』

 

 

 

がいいと勧められた。

 

スペイン南部のセビーリャからサラマンカを通り、アストルガで

フランス人の道と合流する道。

 

この道は、古代ローマ時代からある道で、この道を通って銀が運ばれていたという。

歴史もあるし、商業的でなく、人も少ない。

きっと、これが本来の巡礼路なんだと思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「じゃあ、キミのハネームーンはこの道だね」

 

 

 

 

 

 

 

 

と、言われてドキッとした。

 

 

 

ハネムーンでまた別の巡礼路!?

その相手は?!(まだいませんが)

 

 

 

脳内で勝手に妄想して、よだれが出そうでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

神さま、、、そんな素晴らしい未来を私にください!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なんて、盛り上がりながら話していたら、彼らの夕飯の時間になり、

ご一緒させていただくことにした。

 

ポルトと言えば、甘ーいポートワイン!甘くて、濃厚~

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でも、すぐに甘いポートワインにはいかずに、ビールをw

 

ビール、ポートワイン、ビール、、、と結局お口直しはビールで。

 

 

私がこれからポルトガルを回ると話したら、

聖母伝説の残るファティマに行くといいと勧められた。

しかも、かなり熱く!!!

※彼らは巡礼路なので既に通って来た。

 

うーん、どうしよう。

ちょっと惹かれるけど、、、迷い中。

 

てか、そのファティマではなくて、ポルトガル人の道自体に惹かれ始めた。

 

 

 

私の歩いた”フランス人の道”は、結局”ビーバーの道”になってしまった、、、。

 

 

 

 

 

 

 

 

今度こそ不純な気持ちを抱かず、聖なる道をもう一度歩こうかな?

 

 

 

 

 

 

 

なんて気になって来るから不思議。

 

そんな私の心を察したように、韓国人のおじさまが、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「明日の朝から一緒に歩こうよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なんて言ってきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「え~、それはできないよう~」

 

 

 

 

 

 

 

 

と、断ったけど、、、頭の中では、歩く算段を始めた。

 

 

 

スケジュールは特に何もないから問題ない。

装備も全く問題ない。

体力も全く問題ない。

 

 

 

 

 

 

 

 

これは行っちゃうか?!?!?!?!

 

 

 

 

 

 

 

 

とりあえず、明日の朝の気分で決めることにした。

 

 

 

結局、お会計はおじさまたちが出してくれて、

ごちそうになってしまった。

 

 

 

ありがとうございました!

ごちそうさまです!

 

 

 

宿に帰っておやすみなさい。

 

 

 

まだまだ完全に巡礼の余韻に浸っています。

いや、まだ完全に終わっていません。

 

 

 

明日から、私はまた歩き始めるのか?!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それは、明日の朝の私が答えを出すでしょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

別れがあり、出会いがある。

 

ありがとうございました。